税務会計 国外送金とマイナンバー
米国にある証券口座から日本の銀行(新生銀行)へ送金したところ、マイナンバーを提出してくださいという旨の手紙が届き、なんじゃこれ?となったわけです。
調べてみると、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」を根拠として銀行は従来から国外送金等の支払調書を税務署に提出しており、その調書の形式がマイナンバーの導入で変わってマイナンバーを記載することが必要になったため、と分かりました。
海外からの送金の受取(被仕向送金という)もこの国外送金等に含まれて、マイナンバー提出の対象となったわけです。法人税や所得税をもれなく捕捉するためには確かに必要な話です。
銀行口座とマイナンバーとの紐付けは平成30年からですが、この話とは関係なく国外送金があれば、調書を作る必要から銀行にマイナンバーを提出しなければならない、ということになっているようです。
ただマイナンバーの要不要については、なぜか銀行によって対応が異なっているようで、不思議ではあります。
また、投資信託とか証券取引もこのマイナンバー提出の対象になっているようで、マイナンバーを求めてきた証券会社もあります。が、求めてこない証券会社もあります。これも不思議な感じです。
こちらとしては、当面は求められたら出す、という対応になるでしょうか。マイナンバーは特定個人情報で扱いがセンシティブですので、銀行や証券会社も管理が大変だろうなと思う次第です。
税務会計 贈与税マイナンバーの影響
税務会計 贈与税マイナンバーの影響
国税庁が公表した相続税・贈与税に関するFAQをベースにその他の情報も含めてポイントを確認します。
■ 平成28年中の贈与申告からマイナンバーの記載が必要
平成28年中に贈与があった場合、29年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告を行う。このとき申告書に申告者(贈与を受けた人)のマイナンバーを記載する。贈与者のマイナンバーの記載は不要。本人確認書類(マイナンバーカードや通知カードのコピー)も添付して提出する必要がある。
■ マイナンバーを申告書に記載しないとどうなる
マイナンバーの記載は任意ではなく義務。記載していないと申告できない。
■ マイナンバーを記載するとどうなる
贈与税の制度そのものに変更は無い。税額も同じ。まだマイナンバーと銀行口座の紐付けがされていないので、税務署から見て完全な裏取りはできない?銀行口座との紐付けは平成30年から任意、33年から義務化の予定(まだ決まっていない)。
■ 相続税対策としての持分贈与
110万円の贈与税非課税枠を使って、不動産を持分を少しずつ贈与するという考え方がある。この場合、贈与税が非課税のまま、相続時の不動産の課税価格を減らせるメリットがある。また不動産から得られる収益も移転できるメリットもある。デメリットは、毎年110万円ずつのため、長期的な対策となり、すぐには対応出来ない点がある。また、贈与登記の登録免許税(2%)は相続登記(0.4%)よりも高く、贈与では不動産取得税もかかるという点もある(相続では不動産取得税はかからない)。トータルコストでの評価が必要となる。
■ 不動産の贈与税評価額
土地は路線価で評価する。路線価が無い土地は倍率方式にて評価。路線価は公示価格(実勢価格の9割程度)の8割程度となる。建物は固定資産税評価額で評価する。おおよそ新築時の5~7割程度。
■ マイナンバーと不動産収益
マイナンバーと銀行口座が紐づくと、不動産収益の入金は税務署に筒抜けとなる可能性が。所得税において必ず不動産所得の申告が必要となる。
スケジュール 私の公開予定表
スケジュール 私の公開予定表
テスト中
よもやま話 今年の宅建試験
よもやま話 今年の宅建試験
10月16日(日)に平成28年宅建士試験を受験してきました。今年は難易度が低かったようですが、TACさんの回答速報をもとに自己採点したところ、41点でした。
合格ラインは35点くらいということなので、なんとか合格できたのかなと思っています。11月30日の合格発表まで分かりませんが・・・
昨年は始めての受験で27点(合格点は31点)で残念だったので、今年はうまくいって良かったです。直前期に市販の模擬試験問題で30点後半が出ていたので、もしかしたらと思っていましたが、最後の1-2ヶ月で点数が伸びて安定したようです。
今年2回目の受験で使った教材はLECさんのテキスト
2016年版出る順宅建士 合格テキスト 1 権利関係 (出る順宅建士シリーズ)
- 作者: 東京リーガルマインド LEC総合研究所宅建士試験部
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と過去問題集です。
2016年版出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集 1 権利関係 (出る順宅建士シリーズ)
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スクールなどには通わず独学しました。
今年どういう方法で勉強したかはまた近いうちにメモしたいと思っています。
読書 孫の二乗の法則
読書 孫の二乗の法則
先日アーム社の買収で話題になったソフトバンク孫社長の成功哲学についての本です。
25個の漢字に集約して表現されている孫の二乗の法則。重要な岐路に立ったとき、この法則に照らして意思決定しているという。
孫さんが20代の頃に考えたものだそうですが、以来振り返り気づきを得るツールになっているということで、アーム社の件でも使われたのかなと思います。
内容的には孫氏の兵法と孫さんが自分で考えたオリジナルのミックスですが、自分のような人間でも参考になると思いました。
道 志を立てる
天 天の時を知る
地 地の利を得る
将 優れた部下を集める
法 継続して勝つ仕組みをつくる
頂 ビジョンを鮮明に思い描く
情 情報を可能な限り集める
略 戦略を死ぬほど考え抜く
七 七割の勝算を見極める
闘 勝率七割とみたら果敢に闘う
一 一番に徹底的にこだわる
流 時代の流れを見極め仕掛ける
攻 あらゆる攻撃力を鍛える
守 あらゆるリスクに備える
群 単独ではなく集団で闘う
智 あらゆる知的能力を磨く
信 信頼に値する人物になる
仁 人々の幸せのために働く
勇 闘う勇気と退く勇気を併せ持つ
厳 時として部下に対し鬼になる
風 動くときは風のように素早く
林 交渉は水面下で極秘に
火 攻撃は火のように激しく
山 ピンチでも決して動じない
海 勝った相手を包み込む
本書ではそれぞれの文字の詳しい説明、応用と実践について書かれてあります。すべてのビジネスマンに一読の価値ありと思いました。
読書 ひとり税理士の仕事術
読書 ひとり税理士の仕事術
ひとり税理士の仕事術―雇われない・雇わない働き方 仕事も人生も楽しむ税理士
- 作者: 井ノ上陽一
- 出版社/メーカー: 大蔵財務協会
- 発売日: 2015/07/11
- メディア: 単行本
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品薄でなかなか買えなかったのですが、ようやく入手して熟読しました。
著者は雇われない・雇わない税理士として1人で事務所運営をされています。この小規模な運営が自分の目指すところでもあり、非常に興味深く拝読しました。
税理士業界は、税理士の登録人数が75,000人を突破しえ続けているにも関わらず、その主なターゲットの中小企業数は廃業が開業を大きく上回っている状態で、運営が厳しい状況です。
そんな中で小規模な運営で人生の充実を目指す著者の考え方はこれからの時代にマッチしたものと思いました。
参考になるポイントが多数ありましたが、代表的なものは下記のようなことでした。
- ひとりで対応できる顧客数は10-15件が限度
- 自分を安売りしない。記帳代行だけの契約は受けない
- 投入する時間とそこから得られる利益で考える
- Excel自動化など徹底的に活用する
- 独立開業時はスモールスタートで
- ブログ等のセルフメディアを持つ。自分のやりたい仕事ができるように顧客を誘引する
- コンサルティングのメニューを持つ
- 収益の柱を複数持つ
- 紹介会社は使わない
- お客様のほしいものをアウトプットする。お客様ごとに内容を変える
- 毎月の初日に自分の月次決算する
- 午前中はアポ入れない
- 金土日曜日は税理士業務禁止
- お客様とのやりとりで電話をなるべく使わない
- 決算がない月をつくる
- 税務会計ソフトは使わない。そのほうが深く理解できる
- 読書する。会計税務の本は根こそぎ読んで視点伝え方を学ぶ
- 税制改正の大綱が出たらすぐにブログ等で解説する
自分もこれらのことを一つでも実践できたと思った次第です。